現代版のメロスにヤクザという要素を足したような漫画「蟻地獄」

この漫画、読んでいる途中に気づいたのですがお笑いコンビのインパルス板倉さんの描き下ろし小説をコミカライズ化したものなんですね。

その漫画「蟻地獄」を読了したので最終回を感想と共に振り返ります。

漫画「蟻地獄」のネタバレがNGな人はこちらの記事をどうぞ。

蟻地獄のようにヤクザから逃れらない・・漫画「蟻地獄」が面白いぞ

ネタバレOKな人はそのまま読み進めてください。それではどうぞ!

蟻地獄のあらすじ

冒頭でも紹介しましたが、現代版走れメロスのような内容の漫画です。それにバイオレンス要素を足した感じ。

主人公の孝次は親友の修平と組みパチンコで荒稼ぎをしていました。

ある日、浮浪者のような男性からもっと稼げる闇カジノの存在を聞きつけます。

そこではブラックジャックやポーカーなどの賭博が非合法で行われている場所。

孝次は持ち前の頭脳を活かし、イカサマをして荒稼ぎをすることを画策します。

そして、当日にそのイカサマがうまくいき大金をゲットするわけですが・・・

 

カジノオーナーにその件がバレてしまい、友人の修平が人質として囚われることに。

期限を決められ、期限内に300万円以上を用意できなければ親友の身体をそのまま横流しすると脅され短期間でお金を集めることを強要されます。

 

孝次が選んだお金を集める方法

超短期間で多額のお金を集める方法に孝次が選んだのは、人の目玉を臓器売買グループに買い取ってもらうこと。(うえ・・・)

そのために富士の樹海にまで赴き、自殺者から目を拝借しようと考えます。

しかし、そんなに都合よく自殺者が見つかるわけもなくこのプランは断念。

そして、次に目を付けたの自殺者募集サイトでした。集団自殺を持ちかけているグループに接触すれば一度に大量の死体をゲットできると踏んだわけです。

 

掲示板で集まったメンバーたち

うまく自殺志願のグループにコンタクトを取ることができた孝次。

自殺決行の前日にわざわざ廃病院まで赴き、当日は絶対に失敗しないように計画を立てます。

 

孝次が立てたプランは、練炭自殺にそれとなく誘導し自分はガスマスクを付けて難を逃れるという手法。

そのまま目を納品できるように現場近くに車を停めて、下調べも万全に済ませておきました。

 

自殺決行の日

そして、自殺決行当日。今までネット上で連絡を取り合っていたメンバーが集まります。

医者の落ちこぼれ息子に、いじめられっ子、20代の女性に会社員。それぞれ違った人間が集まって廃病院に向かいます。

孝次も身分を偽り、親に虐待を受けている可哀想な青年を演じ場に溶け込んでいきます。

しかし、この中に孝次と同じように違う目的を持った人間が紛れ込んでいました。

 

サイコパスがメンバーの中に混じっていた

自殺志願メンバーの中に混じっていたサイコパスは会社員の宮内。

彼は妻が会社の同僚と不倫していたことが原因で人生がめちゃくちゃにされたと語っていましたが、実はこの時に妻と同僚を殺害してるんですよね。

その時の興奮が忘れられずに自殺掲示板を巡回しては獲物を探していました。

宮内も孝次と同じようにガスマスクを付けて、一酸化炭素中毒を逃れていました。さらにチェーンソーを隠し持っているという徹底ぶり。

絶体絶命のピンチを迎える孝次ですが、同じ自殺志願者のマフユ達の助けを借りて逆に宮内を捉えることに成功します。

一度はマフユたちを宮内に差し出すと言っておいて、実はマフユたちに宮内を倒すための策を伝えていたわけです。この機転の良さは神がかってる。

そして、捕えた宮内を差し出すことで300万円を集めるミッションは達成できたかに思えました。

 

まさかの宮内逃亡!そして・・・

あとは宮内をヤクザに引き渡すだけでしたが、途中居眠りをしてしまった隙に宮内が逃げ出してしまいます。

タイムリミットまで時間がなく、もう万策尽きた状態に。ここで孝次が考えたのは自らの身体を差し出して300万円を工面すること。

そして、ヤクザ事務所に修平を引き取りに行くのでした。

ここで神のいたずらか、自殺仲間が偶然持っていたワイン(ロマネコンティ時価250万円)が荷物の中に紛れており、自前で持っていた100万円と併せてノルマを達成したことになりました。

しかし、喜びもつかの間・・・元々、ヤクザは解放する気なんかなかったわけですね。

まさかの大どんでん返し

カシワギの裏切りにより絶体絶命のピンチに陥った孝次と修平。最後まで抵抗しますが、最後はカシワギが拳銃を取り出してジ・エンド状態に・・・

しかし、ここで事務所に催涙ガスが撃ち込まれ警察が機動隊が突入してきます。

なんと陣頭指揮を執っていたのは、自分たちのイカサマをカシワギに密告した浮浪者の杉田。

実は凄腕の潜入捜査官だったわけですね。

杉田はカシワギが違法カジノの裏で人身売買も行っているとの情報をキャッチ。現行犯逮捕をするために、わざと孝次たちをイカサマするようにけしかけ、失敗させ人身売買の証拠を掴むための餌として利用したのでした。

 

無事にカシワギからも逃れられ、その後殺人鬼の宮内も逮捕され無事にハッピーエンド。

 

蟻地獄の感想

全4巻とサクッと読めてなおかつ面白い漫画というのが率直な感想。

新宿スワン東京闇虫のようなアングラ系の漫画が好きな人にはぜひおすすめしたい一冊です。

不良のような生活を送りながらも親友の修平を最後まで見捨てなかったり、両親から信頼されていたりと主人公の孝次には好感が持てます。

そして、全く展開が読めないというのもこの漫画の魅力の一つ。

最後はどうなるかと思いきや、杉田が突っ込んでくるとは・・・

面白い漫画なのでまだ読んだことがない人はこの機会に読んでみてください。

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