森恒二先生による超能力を得た青年と、その友人が世界に向けてテロを仕掛けるという漫画「デストロイアンドレボリューション」
長らくヤングアニマルで連載されてきた本作ですが、無事完結を迎えました。
現代の誰もが少なからず抱える、モヤモヤ(環境破壊、政治の癒着、貧困)をもし超能力を持つ人間が現れたら世界は変わるのか?という大きなテーマで描かれた作品。
今回はその「デストロイアンドレボリューション」の最終話を読み終えた感想を紹介していきます。
デストロイアンドレボリューションのネタバレがNGな方はこちらの記事をどうぞ。
超能力を手に入れたら世界を変える?超能力を手に入れた若者の物語、『デストロイ』が面白い。
ネタバレも含まれますが、ネタバレOKな方はそのまま読み進めてください。それではどうぞ!
ユウキとの別れ
もともとはユウキとマコトの2人で始まった革命への狼煙ですが、途中で仲間に加わった大槻の暴走によりおかしな方向に流れていきます。
大槻はマコトによって渡されたワンネスの力に人が変わってしまいました。その後、大槻は倒されることになるのですがこの時からマコトの中には果たして破壊するだけでいいのか?という疑問も湧き始めます。
そんな思いとは裏腹にユウキもワンネスの力を手に入れ、その行動はさらに過激になっていきます。
とうとうマコトとユウキは袂を分かつことになります。
その後もユウキは使徒と呼ばれる自分の配下を従え、世界各地で破壊工作を続けていきます。
しかし、なおも最強のワンネス能力者としての力を持つマコトをユウキの配下達が危険視し、独断でユウキ暗殺計画を企てます。
これは結局、失敗に終わるわけですが、この時にワンネスで繋がっているマコトはユウキがすでに自分を友達・同志として見ていないことを知ります。(ワンネス内では嘘をつけないため)
ユウキもマコト暗殺計画に乗り出す
その後、ユウキを全力で止めようとするマコトをユウキは殺そうと決意するようになります。
世界を変えるために始めた2人の戦いは、世界を破壊しようとするユウキとユウキを止めようとするマコトの構図に様変わりしていました。
しかし、マコトはワンネスの最強の能力者。以前の暗殺も失敗に終わっています。
そこでユウキが考えた作戦は、自分たち問う者が東京にいることを餌にアメリカに東京に核爆弾を落とさせるというものでした。
東京には守るべき者があるマコトは逃げることはできないだろうと、マコトの心理をうまく突いた作戦でした。
そして、東京に核が落とされマコトは恋人でもある小島を失ってしまいます。
実はすでにこの時点からユウキの思惑は破綻していました。世界を変えるために破壊活動を続けていれば、それに答える者が出てくるだろうと考えていました。
しかし、問う者の問いかけに答える者は一向に現れません。東京の核が落とされた後の半年間、ユウキは世界各地を転々としていました。
その間中もマコトの存在を感じながら。マコトは東京に核が落とされた後、ずっとワンネスを通じてユウキを監視していました。
そして、彼にいつも問いかけていました。
- 自分の革命は成功したのか?
- 答えるものは現れないが、お前は答えを持っているのか?
これに対してユウキは気が触れそうになり、最後は観念してしまいます。結局、自分たちの革命が失敗したことを悟るためにかなりの時間と犠牲を払っただけでした。
最後にそのまま宇宙へと移動し、地球を眺める2人の描写があります。
ここでユウキは自分の間違いに気づくわけですが、ここでデストロイアンドレボリューションは完結します。
まとめ
2010年から連載された本作ですが、現代社会が抱える問題を提起している作風は健在ですね。
自殺島とでも考えさせられることが多かったのですが、このデストロイアンドレボリューションでも考えさせられることがたくさんありました。
連続で自殺島とデストロイアンドレボリューションが完結したので、次回作がまた気になります。